EDO-EPS工法
EPS Development Organization
EXPANDED POLY-STYROL CONSTRUCTION METHOD
FEATURE
特長
EDO-EPS工法とは1972年にノルウェーで開発され、1985年より日本国内に導入された先進的軽量盛土工法です。 EDO-EPSブロックを盛土材料として積み重ね、専用の緊結金具によって一体化していくもので、EDO-EPSブロックの超軽量性、耐圧縮性、耐久性および積み重ねた場合の自立性などの特長を有効に利用する革新的な工法です。
EDO-EPS工法は、軟弱地盤上や地すべり地の盛土、傾斜地の拡幅盛土、構造物の背面盛土などの荷重軽減や土圧低減を図る必要のあるところに特に力を発揮します。
EDO-EPS工法の施工は大型建設機械を必要とせず人力施工が可能です。重要構造物への近接施工や周辺環境などへの配慮が緩和され、さらに地形の改変を極力少なくすることが可能なため、山間部での路線計画や土構造物の施工に際し、自然環境の保全にも大きく貢献することができる工法です。
また、良好な施工性と合わせて地盤処理や仮設工事あるいは完成後の維持管理作業が簡易化されるなど、事業全体の工期や工費を低減できるといった数多くのメリットを持っています。
サステナブル・スタープロダクト(環境貢献製品)として「EDO-EPS工法用エスレンブロック」を社内認定しています。
サステナブル・スタープロダクト:
積水化成品グループ(SKG)が掲げる「持続可能社会への貢献」を実現するためのアクションプラン「SKG-5R」の一環として策定された認定基準。
環境負荷低減や限りある資源に配慮した製品を「サステナブル・プロダクト」(環境対応製品)に、中でも特に環境への貢献度が高い製品を「サステナブル・スタープロダクト」(環境貢献製品)に社内認定し、その創出と市場拡大を推進しています。
荷重減圧工法
軟弱地盤上に盛土を行なう場合には、盛土荷重による地盤の沈下や変形が懸念されます。また急傾斜地や地すべり地での盛土によって滑り破壊の発生が懸念されます。
このような条件において超軽量なEDO-EPSブロックを盛土材料として用いることで現況地盤への作用荷重を大幅に軽減し、沈下の低減や滑り破壊を防ぐことができます。
土圧低減工法
EDO-EPSブロックを積み重ねた時の自立性を活かして、抗土圧構造物の背面盛土や直立盛土、傾斜地の拡幅盛土などに利用することができます。
このことにより、躯体構造や基礎形式の簡略化や、地盤改良の規模を大幅に縮小することなどが可能です。
重さ100分の1
EDO-EPSブロックの大きな特長の一つは、土砂やコンクリートと比較して約1/100というその超軽量性です。
超軽量であることがもたらすメリットは、多岐にわたります。
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一般的な土砂
12~22kN/m³
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EDO-EPSブロック
0.12~0.63kN/m³
軽量性
土砂、コンクリートの約1/100の密度のため、地盤の支持力不足が懸念される軟弱地盤上で力を発揮します。地盤への作用荷重を大幅に軽減し、沈下の低減や滑り破壊を防ぐことができます。
施工性
EDO-EPSブロックの重量がきわめて軽量のため、敷設に大型建機が不要で、人力施工・急速施工が可能です。 過去にはたった一夜で 鉄道プラットホームの拡幅工事 を行なった実績などがあります。
立ち上がり、広がらない
EDO-EPSブロックのもう一つの大きな特長は、土砂のような粉粒体ではなく固体であることです。
土砂は下に向かって広がろうとしますが、EDO-EPSブロックは自立し広がりません。
自立性
EDO-EPSブロックを積み上げた場合、自立面が形成され、またポアソン比が0に近いため擁壁などの抗土圧構造物から、防護壁程度に簡易化が可能です。
強く、しなやか
EDO-EPSブロックは独立した気泡体の集合体です。
この構造が優れた耐久性と緩衝性を発揮します。
耐水性・耐腐食性
独立気泡体のため、土中において吸水しにくく、撥水性、耐水性が高く、ほとんど水の影響を受けません。 また腐食やカビなどの影響も受けないため、材料特性を維持し、科学的な安定性や耐候性を保ち続けます。
緩衝性
独立気泡発泡体の特長としての緩衝性にすぐれています。道路や鉄道軌道などに利用した場合、衝撃・振動を減少させる効果があります。
サステナビリティと経済性
“ Light Weight innovation ”
EDO-EPSブロックの超軽量性やその他の特性が、優れた環境性能と経済性を発揮します。
燃油コスト削減とCO2削減
一般的な土砂の約1/100の重さしかないEDO-EPSブロックは、現場への輸送車両において燃油消費量をおさえ、現場においても大型建機が不要なため燃油消費量をおさえます。これらの積み重ねにより燃油コスト削減とCO2の削減に貢献できます。
維持コストの低減
高い耐久性と科学的安定性を保つEDO-EPSブロックは、施工後も長期間にわたり少ない維持管理費用で安定した性能を発揮し続けます。このことにより社会インフラ維持コストの削減に貢献することができます。
優れた経済性
維持管理費用の低減・工期の短縮・用地の節約・掘削量の低減、などトータルでの工事費の削減に寄与します。
その他の特長
加工性
EDO-EPSブロックは発泡体なので、切断や切削がしやすく、現場でのサイズ調整や加工が容易に行なえます。
豊富で多彩な実績
1972年にノルウェーで世界初の軽量盛土工法として施工され、国内では1985年より導入されたEDO-EPS工法はこの30余年で1万数千件、700万~に及ぶ施工実績を誇ります。